遺産を調査する場合の注意点〜まずは負債のチェック


何より注意しなければならないのは、「負債があるかどうか」でしょう。

不動産や預貯金等プラスの財産の調査も重要ですが、むしろ、負債の発見に力を入れるべきではないかと思います。 負債があるか、あるとして、その額はいくらかによって、その後の手続が全く異なりますし、相続放棄には期間制限がありますので、正確かつ迅速に、調査を終えなければなりません。

因みに、私の経験した事例では、遺産分割協議を終えて不動産登記も済ませた後に、巨額の負債が判明し(とても調査不可能な類の負債でした)、 せっかく相続した不動産を手放さざるを得なくなったという、本当に気の毒なケースがありました。



負債の調査は、地道にやるしかない


負債の調査の方法ですが、「これをやれば完璧」というものは、残念ながらありません。

故人が事業を営んでいたような場合には、帳簿類を確認したり、委託していた税理士の先生に問い合わせるなどすればよいので比較的容易ですが、そうでない場合は、容易ではありません。

故人の預貯金の口座が判明している場合には、その金融機関に借入がないかどうか問い合わせたり、郵便物を調べて、債権者からと思われる文書が届いていないか調べたり、 故人の財布を見てカード類や取引明細等が残っていないか調べたり、そういう地道な作業をするほかありません。



負債を相続するとどうなるか〜負債の相続割合


なお、負債を承継する割合は、単純に法定相続分によります。
相続人が子ども3人のみで、負債が1500万円ある場合、各相続人は500万円ずつ負債を承継することになります。

注意しなければならないのは、この負債を承継する割合は、プラス財産を承継する割合とは関係がないということです。

例えば、相続人としてA、B、Cと3人の子どもがおり、プラス財産が9000万円、負債が1500万円あるという場合において、 遺産分割協議の結果、プラス財産をAとBが各4000万円ずつ、Cが1000万円相続することとなったとしても、負債を承継する割合は、単純に法定相続分で決まります。

Cは、1000万円しかプラス財産を承継しないのに、負債はABと同じ500万円を承継することになります。 遺産に負債というマイナス財産が含まれている場合、その額も踏まえて遺産分割協議をしなければやっかいな事態になるということですね。