分筆して分ける場合の注意点


遺産土地そのものを分割して分ける場合、まず注意が必要なのは、分割協議で決まった分割案どおりに分筆登記ができる状態を整えておくということです。


分筆登記を行うためには、まず、測量や近隣との境界立会を行って、正確な地積測量図を作成しなければなりません。
その上で、どこのラインでどのように分筆するのかを図面で特定し、遺産分割協議書に添付する必要があります。

遺産分割協議書に「法定相続分に従って土地を分筆して分ける」ということだけが書いてあっても、これでは分筆登記ができず、遺産分割協議の内容は実現できませんので、注意が必要です。


土地家屋調査士の関与が不可欠


結局、土地そのものを分割して分ける場合には、測量や境界立会、図面作成といった作業が必要になり、それには、土地家屋調査士等の専門家の関与が不可欠です。
現物分割を検討される場合には、こうした専門家の助力を得ながら遺産分割協議を進める必要があるでしょう。


分割後の評価額の違いにも考慮が必要


あと、注意が必要な点としては、土地を現物で分割すると、分割後の土地の評価に差が出てくる場合があるということです。



例えば、相続人が2名でそれぞれの相続分が2分の1ずつというケースにおいて、土地の面積が2分の1ずつになるよう分割するという場合、 分筆後の土地が別々の前面道路に接することになるとき(例えば、片方は表通り、もう片方は裏通り)は、それぞれの面積は同じであっても、評価額は相当違ってくることになると思われます。

こうしたことは、遺産分割協議の中で、お互いに検討を尽くしておかないと、後々トラブルになる可能性もありますので、注意が必要です。