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家庭裁判所は、遺産探しを手伝ってくれない
遺産分割や相続の相談を受けていると、一部の相続人が遺産を隠していたり、使い込んでいる疑いがあるといったケースで、
「家庭裁判所の調停になれば、全部洗いざらい調査を行ってくれて、使い込んだ者に対しては制裁を加えてくれる」といったように、
テレビのニュース等で見る捜査機関のようなイメージをお持ちの方に、時折出会います。
しかし、残念ながら、こうしたイメージは幻想です。
家庭裁判所の立場〜過度な期待は禁物
家庭裁判所の立場は、「現存し、かつ判明しているプラスの財産が遺産分割の対象である」というものです。
分かりやすく言うと、「これ以外に遺産があると主張されるのであれば、そのように主張される方の方で探してもらって、資料を提出して下さい。」ということです。
つまり、家庭裁判所は、遺産の調査を手伝ってはくれないのです。
冷たいようですが、家庭裁判所のスタッフの体制等を考えれば、個々の遺産分割事件において、詳細に遺産の調査を行うなどとても無理な話で、やむを得ないと思います。
これから調停をお考えになっている、あるいは、調停を申し立てられているという方は、
「家庭裁判所に行ってもらえるのは、遺産の分割方法について各相続人の意見を調整し、解決を手伝ってもらえるところまで」ということを理解して、過度な期待を持たない方がよいように思います。