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調停にはあまり期待はできないが・・・
こちらで述べたように、調停は、遺産探しを手伝ってくれるわけでもなく、また、一刀両断に解決策を示してくれるわけでもありません。
あくまで、当事者の仲を取り持って、相続人による自主的な解決を後押しするという、至って地味な手続です。
少なくとも、家庭裁判所に申立をすれば、自己の希望するような条件で解決ができるというような、夢のような手続ではありません。
調停を利用するメリット〜ゆっくりだが確実に進む
しかし、調停には、当事者間の遺産分割協議にはないメリットもあります。
まず、確実に解決に向かって進んでいくことが期待できる、ということです。
調停の場合、1ヶ月から2ヶ月に1度のペースで期日が指定されますので、ゆっくりではありますが、協議が進んでいくことが期待できます。
当事者間の遺産分割協議では、特に期限が決まっているわけではありませんので、どうしてもダラダラしがちで、
特に、分割協議を急がない、あるいは分割協議をしたくない当事者がいると、その傾向がますます強くなります。
調停では、少なくとも次回期日という期限が決められ、また、最終的に折り合いがつかなければ、審判手続という、裁判官が分割方法を決定する手続に移行しますので、
少なくとも、当事者間で遺産分割協議を行うよりは、進行に向けた強制力が働きます。調停のメリットとしては、まずこの点が挙げられます。
調停を利用するメリット〜強制執行もできる
次に、強制執行が可能になるということです。
調停が成立すると、「調停調書」という、合意内容を箇条書きにした文書が作成されます。この調停調書には、確定判決と同じ効力が認められますので、強制執行が可能になります。
遺産分割協議書の場合、それに基づいて強制執行をするためには訴訟手続を経なければならないので、大変な手間です。この点も、調停を利用するメリットといえるでしょう。